転生聖女の異世界スローライフ~奇跡の花を育てたら魔法騎士に溺愛されました~
舞踏会は穏やかに進む。
ばらばらに散らばった装花を目にして、ミリーは顔を顰めた。この装花を用意するのに、どれだけの苦労をしたと思っているのか。こっちは朝からずっと働きづめなのだ。酒が入って両脇を抱えられながら休憩室へと運ばれていく若い男を見て、思わず花瓶を投げつけたい衝動に駆られる。
「ミリー、急いで片付けないと」
「分かってるわよ。あー、もう! 頭にくる!!」
ガシガシと頭をかきむしっていたミリーは、崩れて床に散らばった花を仕方なく拾い始めた。
人けが少ないうちに作業を終わらせなければならない。ミリーはこの舞踏会の手伝いに初めて参加したのだが、貴族がこんなに行儀が悪いとはまったくもって知らなかった。なぜ美しく飾られた装花がこんなに至る所で崩れるのか不思議でならない。
口を尖らせるミリーに対し、スーリアはミリーが拾った花でまだ使えるものは花瓶へとさし直し、使えないものはストックのバケツから新しいものを出して加えるという作業を黙々と続けていた。
「バケツのお花が減ってきたから少し足した方がいいかも」
スーリアはバケツを見ながら呟く。
ばらばらに散らばった装花を目にして、ミリーは顔を顰めた。この装花を用意するのに、どれだけの苦労をしたと思っているのか。こっちは朝からずっと働きづめなのだ。酒が入って両脇を抱えられながら休憩室へと運ばれていく若い男を見て、思わず花瓶を投げつけたい衝動に駆られる。
「ミリー、急いで片付けないと」
「分かってるわよ。あー、もう! 頭にくる!!」
ガシガシと頭をかきむしっていたミリーは、崩れて床に散らばった花を仕方なく拾い始めた。
人けが少ないうちに作業を終わらせなければならない。ミリーはこの舞踏会の手伝いに初めて参加したのだが、貴族がこんなに行儀が悪いとはまったくもって知らなかった。なぜ美しく飾られた装花がこんなに至る所で崩れるのか不思議でならない。
口を尖らせるミリーに対し、スーリアはミリーが拾った花でまだ使えるものは花瓶へとさし直し、使えないものはストックのバケツから新しいものを出して加えるという作業を黙々と続けていた。
「バケツのお花が減ってきたから少し足した方がいいかも」
スーリアはバケツを見ながら呟く。