転生聖女の異世界スローライフ~奇跡の花を育てたら魔法騎士に溺愛されました~
24.舞踏会②
***
アルフォークは何人かのご令嬢とダンスを踊り、夜風にでもあたろうとテラスに出た。
基本的にダンスとは男性から女性を誘うものだ。しかし、むこうから話しかけられてしまうと礼儀上誘わないのは失礼に当たる。ご令嬢だけでなく、王族であるエクリード殿下やプリリア王女とも親しいアルフォークと人脈をつなごうと話しかけてくる野心家も後を絶たない。
やっとのことで隙を見つけて一人になったアルフォークはホッと胸を撫で下ろした。
テラスから庭園に降りると、辺りは魔法の光で美しくライトアップされていた。しかし、ライトアップされているとはいえ、夜なので薄暗い。誰かに見つけられて声を掛けられる前に闇に紛れてしまおうと、アルフォーク庭園の奥へと足を進めた。背の高い生け垣を抜けた時、アルフォークは見覚えのある人影を見つけて足を止めた。
「スー?」
ベンチに座ったままぼーっとしていたスーリアはパッと顔を上げた。声のした方を向けば、アルフォークが驚いた顔をしてこちらを見ている。濃紺の上下の上質な服が物語の挿絵の騎士様のように似合っていた。
アルフォークは何人かのご令嬢とダンスを踊り、夜風にでもあたろうとテラスに出た。
基本的にダンスとは男性から女性を誘うものだ。しかし、むこうから話しかけられてしまうと礼儀上誘わないのは失礼に当たる。ご令嬢だけでなく、王族であるエクリード殿下やプリリア王女とも親しいアルフォークと人脈をつなごうと話しかけてくる野心家も後を絶たない。
やっとのことで隙を見つけて一人になったアルフォークはホッと胸を撫で下ろした。
テラスから庭園に降りると、辺りは魔法の光で美しくライトアップされていた。しかし、ライトアップされているとはいえ、夜なので薄暗い。誰かに見つけられて声を掛けられる前に闇に紛れてしまおうと、アルフォーク庭園の奥へと足を進めた。背の高い生け垣を抜けた時、アルフォークは見覚えのある人影を見つけて足を止めた。
「スー?」
ベンチに座ったままぼーっとしていたスーリアはパッと顔を上げた。声のした方を向けば、アルフォークが驚いた顔をしてこちらを見ている。濃紺の上下の上質な服が物語の挿絵の騎士様のように似合っていた。