転生聖女の異世界スローライフ~奇跡の花を育てたら魔法騎士に溺愛されました~

「申し訳ありませんでした。少し酔いが回ったので、夜風に当たっていました」
「どこかのご令嬢と行ったわけではなくて?」
「一人で行きました」
「そう。ならいいの」

 訝し気にアルフォークを見つめていたプリリア王な女は目を細めてアルフォークを観察するように上から下まで眺めた。

 プリリア王女が言う『ご令嬢』とは、この舞踏会に参加している貴族令嬢のことだ。スーリアは貴族令嬢ではないし、庭園でたまたま会ったのだから嘘は言っていない。

 プリリア王女は気を取り直したようにアルフォークの腕に手を絡めた。

「ねえ、アル。最近あなたの働きっぷりと言ったら素晴らしいでしょう? だから、お父様はあなたに褒賞を与えることを考えているの」
「褒賞?」
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