転生聖女の異世界スローライフ~奇跡の花を育てたら魔法騎士に溺愛されました~
スーリアは店の外を歩きながらハァッとため息を吐く。きっと、リジェルはスーリアを心配してくれているのだ。実は、ミリーにも同じような心配をされた。やはり、平民の農家の娘であるスーリアとアルフォークでは釣り合わないのかと、スーリアは気持ちが沈むのを感じた。
仕事が終わったあとにスーリアを自宅まで迎えに来たアルフォークは白いラフなシャツに深緑のパンツを履いていた。上質だが平民でも着るようなデザインで、スーリアに合わせてくれたことがわかった。
アルフォークはスーリアが玄関から出てくると、優しく頬笑んだ。
「待たせたか?」
「いいえ」
「本当に?」
「実は……アルが来るのが楽しみでずっと部屋の窓の前で張り付いていたわ」
スーリアの頬がほんのりと赤くなる。
何とも可愛らしい白状にアルフォークはクスクスと笑った。
「それは悪かった。お詫びに今日はスーの満足いくまでつき合おう」