転生聖女の異世界スローライフ~奇跡の花を育てたら魔法騎士に溺愛されました~
アルフォークはスーリアの両親であるベンとユリアにも一言挨拶をすると言って、実際になにか言葉を交わしていた。
こういう所が自分よりやっぱり大人だなと感じる。こんなに素敵な人が自分を騙したりするはずないと、スーリアは思った。
「何を買うんだ?」
街に向かう途中、アルフォークに訪ねられてスーリアはうーんと悩んだ。
今日は両親と姉にお給金からプレゼントを買いたい。いったい何にしたらよいだろうか。どうせあげるなら、喜んで貰える物がいいと思った。
「私が働いて稼いだお金でプレゼントをしたいの。何がいいかしら?」
逆に聞き返されて、アルフォークも頭を悩ませる。
「よく聞くのは女性ならドレスや香水、宝石。男性なら剣の柄の飾りや万年筆、ボタンなどだが……」
「それってきっと貴族様向けだから、うちでは喜ばれないわ。もっと実用的な物がいいと思うの」
「実用的なものか。ハンカチや帽子はどうだろう?」
「確かに帽子は被るわね」