転生聖女の異世界スローライフ~奇跡の花を育てたら魔法騎士に溺愛されました~
アルフォークとスーリアは、立ち話していても決まらないので実際に店を覗いてみることにした。小物用品や帽子屋や文具店を順番に訪れる。どの店でも目移りしてしまってなかなか決められない。
「困ったわ。どうしようかしら?」
スーリアは頬に片手を当てた。どれも素敵に見えて、一つに決められないのだ。
「もう少し見てみる?」
「ええ、そうするわ。付き合わせてしまってごめんなさい」
「構わない。悩んでるスーも可愛らしい」
「か、かわいい!?」
頬がカーッと熱くなる。それと同時に、まるで『おはよう』と言うかのようにさらりと褒め言葉を言ったアルフォークを見て、スーリアは何とも言えない気分になった。
アルフォークは黙り込んだスーリアを見て、怪訝な顔をした。
「スー?」
「アルは、いつも女の人にそう言うことを言うの?」
「そう言うこと?」
「その……かわいいとか……」