転生聖女の異世界スローライフ~奇跡の花を育てたら魔法騎士に溺愛されました~

 スーリアの声は尻すぼみになる。アルフォークはスーリアの言葉に目をみはった。

「まさか! 俺は女性が苦手だと前に言っただろう? スーにしか言わない」

 アルフォークは言葉を切り、スーリアを見下ろした。

「スー。もしかして、妬いてるのか?」
「……」
「今まで女性に歯の浮くような台詞を言う男の気が知れなかったが、今はよくわかる」

 アルフォークは楽しそうにククッと笑った。
 その後、二人は服屋や本屋に立ち寄り、最後に入ったのは陶器屋だった。店の中には棚があり、棚にはティーカップやソーサーなとが置いてある。スーリアはその中の一つに目をとめた。

「これ、素敵だわ」

 スーリアが手に取ったのは花柄の絵付けがされたティーカップセットだった。繊細な絵付けで、職人の技術力の高さを感じる。持ち上げて裏返すと、そこには見慣れないサインが入っている。

「クレドか」
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