転生聖女の異世界スローライフ~奇跡の花を育てたら魔法騎士に溺愛されました~
「父さん、母さん、おはよう」
スーリアはダイニングテーブルに向かい、朝食をとる準備をしていた両親に朝の挨拶をした。
本当は自分はスーリアではないけれど、この状況でそんなことを言い出してもどうにもならないことくらい理解しているし、自分はこの世界では間違いなく『スーリア』なのだ。
続いて姉の姿も見つけて朝の挨拶を交わした。
「スーリアはすっかり元気になったわね。本当によかったわ」
母親のマリアが安心したようにスーリアとおなじ薄緑色の瞳を細めて微笑む。マリアはスーリアと同様に薄ピンク色の髪をしているが、ウェーブはかかっておらずストレートだ。四十二歳と『倉田恵』のときの母親よりはだいぶ若い。スーリアから受け継いだ記憶によれば、ルーデリア王国の女性の初婚年齢は日本よりもだいぶ早そうだ。
「スーリア、今日は何をするんだい?」