転生聖女の異世界スローライフ~奇跡の花を育てたら魔法騎士に溺愛されました~
「アル!」
謁見終了後、魔法騎士団の詰め所に戻ろうとしたアルフォークは後ろから声を掛けられて足を止めた。振り返ると、プリリア王女がこちらを見つめて頬笑んでいる。
「褒章おめでとう」
「ありがとうございます」
アルフォークはプリリア王女からの祝辞に素直に御礼を言った。
プリリア王女はゆっくりとアルフォークに近付いてきたので、アルフォークはプリリア王女の手を取り、その指先に口づける。プリリア王女は満足げに頬笑んだ。
「ねえ、アル。今回爵位を賜ったのだから、準備は整ったわ。次はきっと本命よ」
「準備? 本命? 何の話でしょうか??」
「鈍いわね。次の褒章の時は、きっと私の降嫁の話があるわ」
プリリア王女は扇で口元を隠しながらころころと笑う。アルフォークはやっぱりそう来たかと思い、目を閉じて深く息を吐く。腹を決めて、プリリア王女を見据えた。
「リア様。そのお話ですが、リア様は王国の至宝と呼ばれるほどのお方です。私のような一介の騎士に降嫁すべきではありません。周辺国には歳の釣り合う王族が幾人かいます。リア様の美貌であれば、どの国からも喜ばれるでしょう」
謁見終了後、魔法騎士団の詰め所に戻ろうとしたアルフォークは後ろから声を掛けられて足を止めた。振り返ると、プリリア王女がこちらを見つめて頬笑んでいる。
「褒章おめでとう」
「ありがとうございます」
アルフォークはプリリア王女からの祝辞に素直に御礼を言った。
プリリア王女はゆっくりとアルフォークに近付いてきたので、アルフォークはプリリア王女の手を取り、その指先に口づける。プリリア王女は満足げに頬笑んだ。
「ねえ、アル。今回爵位を賜ったのだから、準備は整ったわ。次はきっと本命よ」
「準備? 本命? 何の話でしょうか??」
「鈍いわね。次の褒章の時は、きっと私の降嫁の話があるわ」
プリリア王女は扇で口元を隠しながらころころと笑う。アルフォークはやっぱりそう来たかと思い、目を閉じて深く息を吐く。腹を決めて、プリリア王女を見据えた。
「リア様。そのお話ですが、リア様は王国の至宝と呼ばれるほどのお方です。私のような一介の騎士に降嫁すべきではありません。周辺国には歳の釣り合う王族が幾人かいます。リア様の美貌であれば、どの国からも喜ばれるでしょう」