転生聖女の異世界スローライフ~奇跡の花を育てたら魔法騎士に溺愛されました~

 父親のベンがミルクコーヒーを口にしながら聞いてきたので、スーリアはちょっと考えてから返事をした。

「そうね―――午前中に花の世話をしてから父さんの農作業を手伝うわ。農園の脇に植えた花が今日にも咲きそうなの。こんなに早く育つなんて、育てがいがあるとおもわない?」

 スーリアの返事を聞いた父親は楽しそうに目を細めた。

「スーリアが育てる植物はすぐ大きくなるな」

 こちらに来て、体が動くようになったスーリアはすぐに花の世話を始めた。女神であるシュウユは花でも育てろと言っていたし、スーリア自身も『倉田恵』時代から花が好きだったからだ。
 農園を営んでいる父親から土地の一画を借り受けて、父親に用意してもらった種をまいたり苗を植えたりした。不思議なことにスーリアがこちらの世界で育てる植物はどれもとても成長が早い。リアちゃんから受け継いだ記憶から判断しても、驚くほどのスピードだ。
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