転生聖女の異世界スローライフ~奇跡の花を育てたら魔法騎士に溺愛されました~
プリリア王女が優しく目を細め、近衛騎士の頬を撫でる。近衛騎士は恍惚とした表情を浮かべプリリア王女の手に頬を擦り寄せた。
「上手くやってくれたら、しばらくの間は私の一番近くで護衛する栄誉を与えましょう」
「お任せ下さいませ、王女陛下」
近衛騎士が嬉々として部屋を辞したのを見て、プリリア王女は口の端を上げた。
女性に人気の近衛騎士も自分にかかれば容易く落ちる。
あの男に自分への愛を請わせる日が、今から楽しみでならない。
***
数日後のこと。
プリリア王女の怒りは心頭に発していた。
怒りで顔を赤くするプリリア王女に対し、目の前の相手──エクリード第二王子は涼しい顔をしてプリリア王女を一瞥した。