転生聖女の異世界スローライフ~奇跡の花を育てたら魔法騎士に溺愛されました~
29.マニエルのお散歩
マニエルはすっかり日課になった、猫姿でのお散歩を楽しんでいた。
ふさふさの尻尾を揺らしながら向かう目的地はただ一つ。愛しの婚約者──ルーエンの元だ。
ルーエンは平日の昼間、王宮内の魔術研究所で働いている。マニエルは王宮内の庭園から魔術研究所へ向かったので、その途中に薬草園と併設された花畑を通った。チラリと視線を向けると、いつもならこの時間にいるピンク色の髪の少女──スーリアは今日もいなかった。もう何日見かけていないだろう。
マニエルは花畑に近づいた。いつもスーリアが丹精込めて世話をしている花々は、今日も美しく咲き乱れている。
──最近、あの子はどうしたのかしら?
マニエルは気にはなったものの、スーリアとは直接の知り合いではないので、確認のしようもない。しばらくすると、赤茶色の髪の少女──ミリーがやって来て、その花畑に水を撒き始めた。二回ほど水場と花畑を往復しており、とても大変そうだ。
「はぁ。リアちゃん、まだ来ないのかな……」
ミリーが独りごちる。ミリーは少しの間、座って花畑を眺めていたが、やがて立ち上がって薬草園へ魔術研究所から発注のあった薬草類を摘みにいった。
ふさふさの尻尾を揺らしながら向かう目的地はただ一つ。愛しの婚約者──ルーエンの元だ。
ルーエンは平日の昼間、王宮内の魔術研究所で働いている。マニエルは王宮内の庭園から魔術研究所へ向かったので、その途中に薬草園と併設された花畑を通った。チラリと視線を向けると、いつもならこの時間にいるピンク色の髪の少女──スーリアは今日もいなかった。もう何日見かけていないだろう。
マニエルは花畑に近づいた。いつもスーリアが丹精込めて世話をしている花々は、今日も美しく咲き乱れている。
──最近、あの子はどうしたのかしら?
マニエルは気にはなったものの、スーリアとは直接の知り合いではないので、確認のしようもない。しばらくすると、赤茶色の髪の少女──ミリーがやって来て、その花畑に水を撒き始めた。二回ほど水場と花畑を往復しており、とても大変そうだ。
「はぁ。リアちゃん、まだ来ないのかな……」
ミリーが独りごちる。ミリーは少しの間、座って花畑を眺めていたが、やがて立ち上がって薬草園へ魔術研究所から発注のあった薬草類を摘みにいった。