転生聖女の異世界スローライフ~奇跡の花を育てたら魔法騎士に溺愛されました~

「私が世話すると花も野菜も大きく育つわ。『早く立派に育ってね』って魔法をかけながら世話してるもの」とスーリアはベンを見上げると得意気に胸を張った。

 この世界には魔法がある。
 元の世界では科学技術を使って実現したような事を、魔法で行うのだ。

 例えば、風をおこしたり、気温を下げたり、火をおこしたり。お医者様も普通のお医者さんと魔法使いのお医者さんがいる。
 でも、魔法使いのお医者さんに庶民が掛かることはまず無い。治療費がとても高価だからだ。
 スーリアもスネークキメラに襲われた日が初めてだった。スーリアは見たことがないけれど、凄腕の魔術師は瞬間移動を行う『転移の術』すら出来るという。

 それに、全員が自由自在に魔法を使えるわけではない。
 大抵の人達は魔力が低く、魔力の籠もった小道具をお店で購入してそれを使う。

 例えば、食事の時の火をおこす時に母親は炎の魔力が込められた指輪をして作業をするし、髪を乾かしたい時は風の魔力が込められたブレスレットをする。魔力を込めた魔法石を組み込む小道具は何でもよいらしく、作る人と買う人の趣味によるようだ。
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