転生聖女の異世界スローライフ~奇跡の花を育てたら魔法騎士に溺愛されました~

 まるで子どもだな、とルーエンは思った。ルーエンもはぁっと息を吐くと、真剣な表情でエクリードとアルフォークを見た。

「ここ数日、リアちゃんの花の効果がまた弱まってる。理由は分からない」

 それを聞いたアルフォークは眉間に深い皺を寄せた。

「スーの様子を見にいく」
「駄目だよ」とルーエンは止めた。
「今リアちゃんに会いに行ったら、リアちゃんがますますプリリア王女に目をつけられる。只でさえ不思議な花を育てるってことで気に入らないと思われているのに、アルが会いに行ってみろ。きっと、リアちゃんが嫌がらせされる。それに、あれ」

 ルーエンはチラリと目配せした。
 今、アルフォーク達はルーエンの作った遮像壁、遮音壁の中にいる。外には白い近衛騎士の姿がちらついている。エクリードの近衛騎士ではないから、プリリア王女の近衛騎士だろう。
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