転生聖女の異世界スローライフ~奇跡の花を育てたら魔法騎士に溺愛されました~
「あーあ。殿下、言い方……」
ルーエンがジトッとエクリードを見る。エクリードは涼しい顔でティーカップに手を伸ばし、紅茶を口に含んだ。
「あれくらい焚き付けた方が、アルにはいいだろう。あいつは負けず嫌いだからな」
「まあ、ねえ」
ルーエンは苦笑する。確かに、アルフォークは負けず嫌いだ。そうでなければあの若さで魔法騎士団長になどなれない。
「プリリア王女、ご機嫌斜めみたいですね。何とかリアちゃんの花がまやかしだと証明して、アルから遠ざけようと躍起になってます」
「放っておけ。どうせ証明は出来ない。それに、経緯は違うが今はアルとスーリアは距離をおいている。リアの望み通りだ」
「そうは言っても、しょっちゅう魔術研究所に押しかけてくるから困るんですよ」
ふうっと息を吐いたルーエンは、エクリードの顔を見つめ、真面目な顔をした