転生聖女の異世界スローライフ~奇跡の花を育てたら魔法騎士に溺愛されました~
──姉さん、スティフさん、末永くお幸せに。
スーリアはもう一度祭壇に視線を移した。そこに佇むのは、しばらく会っていない、この世界の創造の女神様だ。
自分は果たして、この世界を浄化してくるという役目をしっかりと果たせてるのだろうか。心の中で問いかけても、視線の先にいるその女神は何も答えてはくれない。シュウユは、ただ優しい眼差しで、人々を見下ろしていた。
挙式後の披露パーティーは、近所のレストランを貸し切って行われた。スーリアは張り切って、ここにも朝から沢山の花を飾った。
メリノはスーリアにとって、かけがえのない人だ。メリノが居たからこそ、この世界にこんなに早く馴染めたと言っても過言ではない。少しでも華やかな雰囲気の中で、二人の門出をお祝いをしたかった。
「スーリア。とても素敵だわ。ありがとう」
笑顔で会場装花と身につけている花の御礼を言うメリノに、スーリアも口元を綻ばせばせた。
「どういたしまして。姉さんとスティフさん、とっても素敵ね」
「ふふっ。ありがとう。きっと、スーリアもすぐに着ることになるわ。きっと、父さんが泣いてしまうわね」