転生聖女の異世界スローライフ~奇跡の花を育てたら魔法騎士に溺愛されました~
◇ ◇ ◇
ヴィーンという振動音がして、スーリアは空を見つめた。この音は、アルフォークからの手紙が届くときの音だ。
あの公開訓練の日以降、アルフォークからは毎日のように手紙が届く。しかし、スーリアは心情的にそれらを開いて見ることが出来なかった。開く事が出来ないくせに、捨てることも出来ない。部屋に置かれた机の片隅には、封蝋がされたままの手紙がどんどん積み重なっていた。
ある日突然あのような別れとなり、スーリアの中で未だにアルフォークの事はうまく昇華できていない。
騙されていたことに対し許せないと思う一方、彼のことをまだ好きだと思う。とんでもないろくでなしだと思う一方、彼がそんなことをするわけが無いと思う。
要するに、自分でも自分の気持ちがよくわからないのだ。ふとしたときに脳裏に蘇るのは、こちらを見つめるアメジストのような瞳と、『スー』と呼ぶ優しい声色。そのたびに、スーリアの心臓はぎゅっと掴まれたような痛みを感じた。
数秒後、スーリアの視線の先の何もなかった空間に変化が起きる。忽然と白い封筒が現れ、ハラリと床に落ちた。スーリアがそれを拾い上げると、宛先は『スーへ』差出人は『アルフォークより』と書かれている。
スーリアはそれを開くこと無く、封筒が積み重なっている山の一番上に乗せた。
ヴィーンという振動音がして、スーリアは空を見つめた。この音は、アルフォークからの手紙が届くときの音だ。
あの公開訓練の日以降、アルフォークからは毎日のように手紙が届く。しかし、スーリアは心情的にそれらを開いて見ることが出来なかった。開く事が出来ないくせに、捨てることも出来ない。部屋に置かれた机の片隅には、封蝋がされたままの手紙がどんどん積み重なっていた。
ある日突然あのような別れとなり、スーリアの中で未だにアルフォークの事はうまく昇華できていない。
騙されていたことに対し許せないと思う一方、彼のことをまだ好きだと思う。とんでもないろくでなしだと思う一方、彼がそんなことをするわけが無いと思う。
要するに、自分でも自分の気持ちがよくわからないのだ。ふとしたときに脳裏に蘇るのは、こちらを見つめるアメジストのような瞳と、『スー』と呼ぶ優しい声色。そのたびに、スーリアの心臓はぎゅっと掴まれたような痛みを感じた。
数秒後、スーリアの視線の先の何もなかった空間に変化が起きる。忽然と白い封筒が現れ、ハラリと床に落ちた。スーリアがそれを拾い上げると、宛先は『スーへ』差出人は『アルフォークより』と書かれている。
スーリアはそれを開くこと無く、封筒が積み重なっている山の一番上に乗せた。