転生聖女の異世界スローライフ~奇跡の花を育てたら魔法騎士に溺愛されました~
ルーエンは肩を竦めて見せた。
「事実、リアちゃんの花の不思議な力が弱くなったんだよ」
アルフォークは憮然とした表情を浮かべていたが、顔を上げると真剣な表情でルーエンとエクリードを見た。
「やはり、スーに会いに行く。話をしたい」
「話をする必要があるのは同感だけど、毎回、お父上に追い返されてるんでしょ? アルが行っても会ってくれないんじゃない? 手紙の返事も一度も来ないってことは、向こうはアルに会いたくないと思っているかもしれない」
ルーエンの指摘に、アルフォークの眉間に深い皺が寄る。
アルフォークはあの事件後、何回かスーリアに会いに行ったが、毎回スーリアの父であるベンがどこらから現れて追い返される。
こちらの方が力は強いし、相手は平民の農夫だ。力尽くで従わせることは可能だが、これ以上心証を悪くしたくないアルフォークはそれはしたくなかった。
その代わり、手紙は毎日出している。しかし、返事は一度たりとも戻ってきたことはない。毎回、花を取りに行ったキャロルにスーリアから何かを受け取っていないかと確認しても、何も受け取っていないと言われるだけだった。スーリアが手紙を見ていない可能性についても、アルフォークは薄々感じていた。