転生聖女の異世界スローライフ~奇跡の花を育てたら魔法騎士に溺愛されました~
家の扉を開けると、中から食事の良い匂いが漂ってきた。姉のメリノが台所でお昼の準備をしている。
「いい匂いね。姉さん、お昼はなに?」
美味しそうな匂いに釣られて鍋をかき混ぜる姉の近くに寄る。鍋を覗きこむと、家で育てている野菜を沢山入れて煮込んだスープがくつくつと煮えていた。
「今日はスーリアの大好きな野菜スープとパンよ。沢山召し上がれ」
メリノは木のお椀にスープをよそうと、お盆に載せてスーリアに手渡した。スーリアはそれをダイニングテーブルに並べてゆく。全員分の準備をおえると皆で創造の女神であるシュウユ様に祈りを捧げてから食事を頂く。
「スーリア、今日の午後は魔法騎士団の公開訓練があるみたいよ。スティフも出るから私は見に行くつもりだけど、一緒に行く? 前に助けて貰った御礼がしたいって言っていたでしょう?」