転生聖女の異世界スローライフ~奇跡の花を育てたら魔法騎士に溺愛されました~
「王宮も被害が出て、結構な大騒ぎだった」
「王宮? 王宮に空間の歪み発生したのですか??」
スーリアは眉をひそめてルーエンを見上げた。無言でスーリアを見つめ返すルーエンの態度が、それを肯定していた。
「なんで? ──もしかして、私のせい……?」
王宮にはスーリアの花畑がある。シュウユによれば、一度器となった花は持続して不思議な力を維持できるようになる。つまり、王宮にスーリアの花畑があれば、空間の歪みなどおきないはずなのだ。
もしかしたら、自分がアルフォークとのことに気を揉んで精神的に不安定になったせいで、シュウユの神力が殆ど行き渡らなくなったのかもしれない。そのせいで、王宮で空間の歪みが発生して魔獣が現れたり、魔法騎士団の人達が怪我をしたのかもしれない。
そう思うと、スーリアは体が震えて来るのを感じた。
「リアちゃん! 君のせいじゃないよ」
ルーエンは真剣な表情でスーリアを見つめた。