転生聖女の異世界スローライフ~奇跡の花を育てたら魔法騎士に溺愛されました~
「お前の魔法騎士団長の地位返上は受け入れられない。こんなに腕が立つ男をみすみす野に放つのは、愚者の選択だ。それに、おれの浄化の際の相棒は常にお前だろう? これは俺に死ぬ目を見せた罰だぞ。俺が現役の間、お前は永年魔法騎士団長だからな」
エクリードはアルフォークを見て器用に片眉を上げて見せた。
「では、スーが罪人と言うのは?」
「無論、でまかせだ」
エクリードは涼しい顔で言い放った。あまりの展開について行けずに呆然としたアルフォークにスーリアが近づいた。
「ねえ、アル。アルは私を繋ぎ止める枷の役目なんでしょ?」
「スー……」
「私、絶対に許さないわ」
アルフォークの表情がサッと凍り付いた。アルフォークの顔を見つめながら、スーリアは色々な気持ちが湧き上がり、目頭が熱くなるのを感じた。
「勝手にやめるって言い出すなんて、酷いと思うの」