転生聖女の異世界スローライフ~奇跡の花を育てたら魔法騎士に溺愛されました~

 アルフォークは剣を胸に当ててエクリード殿下に礼をした。

 アルフォークは魔法騎士団の団員を即座に三つに分けた。
 一つは雑魚の相手を、もう一つはサンダードラゴンに拘束魔法をかけて動きの封じ込めを、最後の一つはサンダードラゴンへの攻撃を行う作戦を即座にたて、部下達に指示を出す。サンダードラゴンでも、流石に拘束魔法をかけられている間に攻撃すれば勝てると考えたのだ。

 複数の魔法騎士達に取り囲まれて、元々気が立っていたサンダードラゴンは激しく興奮し始めた。拘束魔法を複数人から同時にかけられているにも関わらず、こちらに向かってこようと激しく暴れる。しかし、こちらの人数が圧倒的に多いため、徐々に弱りはじめて動きが鈍くなった。聖魔法による浄化も順調に進み空間の歪み正されたころ、黒い鱗に被われたサンダードラゴンの頭はとうとうガクリと地面に落ちた。

──よし、仕留めた。

 その場にいた誰もががそう思った。しかし、ここで油断して気が緩んだのが間違いだった。
 気の緩みから封じ込め魔法の締め付けが緩んだその瞬間、サンダードラゴンは頭を持ち上げると敵の親玉だと目をつけたアルフォークめがけて最後の力を込めた渾身の一撃を放った。
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