転生聖女の異世界スローライフ~奇跡の花を育てたら魔法騎士に溺愛されました~
──まずい! よけられない!!
サンダードラゴンの頭から稲妻が向かってくるのがスローモーションのように見えて、アルフォークは目を見開いた。アルフォークめがけて避ける間もなく雷撃が落ち、凄まじい閃光が辺りを包んだ。燃えるような熱さが周囲を覆い、アルフォークは死を覚悟した。
しかし、アルフォークは無事だった。雷撃があたるのと同時にアルフォークをドーム状の防御壁が包み込んだのだ。アルフォークが目を開けた時、最後の力を振り絞ったサンダードラゴンは既に事切れており、自分自身は殆ど無傷だった。
「さすがアルフォーク団長!」
「サンダードラゴンの攻撃を防御壁で防ぐなんて凄いぞ!」
「今のは肝が冷えたな」
まわりで部下達がサンダードラゴンを倒した興奮冷めやらぬままに口々にアルフォークを賞賛し、歓喜した。ただ一人、当の本人であるアルフォークを除いて。