転生聖女の異世界スローライフ~奇跡の花を育てたら魔法騎士に溺愛されました~

 聖魔術とは聖魔術師達が使う魔術のことだ。創造の女神シュウユの系統を成す魔術だとされており、空間の歪みを正すだけでなく裏の世界から来た魔獣の攻撃全般を無効化する効果がある。ルーデリア王国ではかつて創造の女神シュウユの祝福を受けたとされる王族に特に強い聖魔術の使い手が現れることが多く、今は第二王子のエクリード殿下が国一番の聖魔術の使い手だ。

 聖魔術の使い手でも無く、魔力も殆ど無い園芸が趣味の少女。となると、やはり全ては偶然だったのかと思えたが、アルフォークはなんとなくその少女の事が気になった。

「スーリアに会うことは出来るか?」

 アルフォークの言葉を聞いてスティフは驚いたように目をみはった。

「スーリアに? そりゃあ、もちろん会いに行くことは出来ますが、団長が直々に行ったら向こうがびっくりするかも知れませんね。身分も違いますし、恐縮されるかもしれません」
「では、スティフの同僚として会いに行く。それなら大丈夫だろ?」
「さあ、どうでしょう? 突然自宅に魔法騎士が訪ねて来たことに変わりはないので、あまり変わらない気がします。変に誤魔化すぐらいならちゃんと名乗った方がいいかと思いますが。ところで、何故スーリアに?」
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