転生聖女の異世界スローライフ~奇跡の花を育てたら魔法騎士に溺愛されました~

 スーリアという名の少女はスティフの言うとおり、一人で花の世話に熱中していた。アルフォークが訪れたときは地面にしゃがみ込んで何かをしていた。
 声を掛けられたスーリアはこちらに気づき、にっこりと微笑んで立ち上がると近寄ってきた。助けた時は泥と血にまみれてぐったりとしていたのでわからなかったが、スーリアは大きな薄緑の瞳をした色白の美少女だった。やせ形で体も小さく、アルフォークやスティフと比べると頭一つ分以上も小さい。そして薄ピンク色の髪の毛を簡単に一つに結い上げて、儚げな雰囲気を纏っていた。

「こんにちは、スティフさん。今、姉さんは家の中で母さんの手伝いをしてるはずよ」

 スーリアはにこっと笑うと、家の方を指さした。スティフはその様子を見て頷づく。

「ああ、今から寄るよ。ところで、今日は君にお客さんを連れてきたよ」
「私にお客さん? どなた?」

 スーリアはキョトンとした顔をしてスティフとアルフォークの顔を見比べた。
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