転生聖女の異世界スローライフ~奇跡の花を育てたら魔法騎士に溺愛されました~
ルーエンは呆れたように言った。
「そうだなぁ、マニエルに持っていく花が欲しいってことにでもしようかな。アルも助かるでしょ?」
「ああ、助かる。出来れば、王宮筆頭魔術師のルーエンは、婚約者のマニエルに心奪われ夢中だと、噂が立つまで頑張ってくれ」
「ええ?」
「ルーなら出来るはずだ。頼むぞ」
アルフォークはポンとルーエンの肩に手を置くと爽やかな笑顔を見せた。いつものように阿吽の呼吸で仲良くやり取りし始めたアルフォークとルーエンをエクリードは無言で眺めた。こういうボディタッチと互いに向けた笑顔を目撃した侍女から次なる噂が立つのだが、本人達は全く気づいていないようだ。エクリードはゴホンと咳払いをした。