転生聖女の異世界スローライフ~奇跡の花を育てたら魔法騎士に溺愛されました~
スーリアはさっそく花束を作るのに適した枝を選んで切ってゆく。カーネーションだけだと少しさびしいので、同色の別の花や緑の葉のアクセントを添えて花屋の手伝いをしていたときの要領で花束を作った。たまたま街で見かけて購入した薄紙で包むと自分でもなかなかの出来だと思える花束が完成した。
「はい、どうぞ」
「ありがとうね。助かるよ」
「お安い御用です」
ス―リアは両手に拳を作ってにこりと微笑んだ。
「スーリアちゃん、お花畑を案内して貰っていい?」
「はい、もちろんです」
スーリアはルーエンにもアルフォークにしたのと同じ様な説明を一通りした。小さな花園の中に植えられた花の名前や、少し花の寿命が長いことなどを順番に説明してゆく。ルーエンは人懐っこい笑顔を浮かべてスーリアの話をうん、うん、と聞いていた。アルフォークも近くで花を観察していた。
「スーリア。また花を少し貰っていいか?」
「もちろんです。ちょっと待って下さいね」