転生聖女の異世界スローライフ~奇跡の花を育てたら魔法騎士に溺愛されました~
「本当にいいのですか?」
「もちろん。また来るね」
「ありがとうございます」
スーリアはきゅっとその魔法石を握り締めた。魔法石はとても高価なので、花と交換で貰えることは正直かなり助かる。ルーエンは王宮筆頭魔術師と言うくらいだから魔法石を作るのが一瞬と言うのも噓ではないのだろう。スーリアは有難くそれを受け取る事にした。
「アルフォークさん、ルーエンさん。実は私、花を町で売り始めたんです。お昼はそっちに行って店の手伝いをしていることも多いと思うので、外出していることも多くなるかもしれません」
アルフォークが突然訪ねてきた前回と今回はたまたまスーリアはここで花の世話をしていたが、昨日からスーリアはリジェルのパン屋で花を売り始めた。そのお礼にパン屋の売り子を手伝うことになったのだ。今後はいつも家にいるとは限らない。
「お店? どこだ??」
アルフォークに聞かれ、スーリアは町に下る一本道の坂を指さした。