砂漠の国でイケメン俺様CEOと秘密結婚⁉︎
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ランクルの車外に出ると、すでにマーリク氏が砂漠の地に降りていた。

広大な黄金(こがね)色の砂丘を背景(バック)に、襟のないカンドゥーラと呼ばれる真っ白な貫頭衣を身に(まと)い、ゴトラと呼ばれる真っ白な頭巾を(なび)かせた、リアル「アラビアのローレンス」がそこにいた。

——確かに、母国の民族衣装を着ると、男女ともに何割か増しで「イケメン」「イケジョ」になれると聞くけれども……


あたしに気づいて、マーリク氏がこちらに振り向く。

相変わらずのすっごい目力だ。

「Mr. Malik……」

その魅惑的な漆黒の瞳に吸い寄せられるように、あたしはつぶやいた。

すると、真っ白な頭巾(ゴトラ)をはためかせながら、彼が颯爽と歩いてきた。

身を焼け尽くしてしまいそうな灼熱の太陽の光が、彼の真っ白な貫頭衣(カンドゥーラ)に反射して、いっそう眩しく輝いている。

そして、彼の国の真っ黒な民族衣装(アバヤ)に身を包んだあたしの目の前に、彼は立った。


「Do you call your husband "Mr."?」
〈君は、自分の夫を『ミスター』と呼ぶのか?〉

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