砂漠の国でイケメン俺様CEOと秘密結婚⁉︎
「パールちゃん、確かにこのプロジェクトは、この地域での大橋不動産の社運を賭けたものだけどね」
大橋さんはその表情に、苦渋を滲ませる。
「でも……だからと言って、我が社の女子社員をクライアントのお偉方にあてがってまで、会社の業績を伸ばしたいというわけじゃないんだよ?
それに、そんなことをしたら君の親御さんにも申し訳が立たないよ」
——うっ、実は今回の「結婚」に関しては、日本にいるあたしの親にはなにも話していなかった。
結婚することに関しては、たぶん母親は手放しで喜ぶかもしれないが……
——日本から遠く離れた中東の地での国際結婚、しかもイスラム教徒が夫の「第三夫人」だからね……
一人娘が知らないところでそんなことをしでかしていると知った日には、両親ともども発狂して錯乱するだろうなぁ……
「…What are you two talking about? Huh?」
〈…おまえたち、二人でなにを話してるんだ?ぇえ?〉
——あ、ヤバい。
ラジュリーが苦虫を百万回噛み殺した顔になっている……