砂漠の国でイケメン俺様CEOと秘密結婚⁉︎
الفصل ٢⏳
アブダビ国際空港に着いた。
成田から直行便を出しているエティハド航空で、約一三時間のフライトだった。
(日本から向かうときは偏西風に逆らって飛ぶため時間が掛かるのだ)
アブダビに本拠地を置くエティハド航空は、アラブ首長国連邦の国営の航空会社だ。
経由地として利用されることも多く、アジアとヨーロッパを結ぶ中継空港としての機能を果たしている。
早速、入国審査を済ませると、あたしは機内持ち込みした無◯のインド綿帆布のトートバッグから(海外に出るときは、こんな何の変哲もない無地のバッグが最適だ)スマホを取り出した。
そして、会社が契約しているアラビア語通訳のオフィスへ電話をかける。
何回かのコールのあと、
『…Hello?』
と、相手が出た。男の人の声だった。
「Hello.」
あたしは英語で相手に返した。
「This is Mamiko Miura from Ohashi Real Estate Co., Ltd. May I speak to Mr. Mufiid? I’ve just arrived at the airport.」
〈(株)大橋不動産の三浦 真珠子です。ムフィードさんをお願いしたいのですが。たった今、空港に到着しました〉
『This is he.』
〈私です〉
ムフィードさん本人が電話に出たようだ。
彼がうちのプロジェクトチームの通訳だと聞いている。
『Welcome to Abu Dhabi,Ms.Miura. I'm glad you arrived safely. 』
〈アブダビへようこそ、三浦さん。無事に到着されて何よりです〉