砂漠の国でイケメン俺様CEOと秘密結婚⁉︎

マスダール・シティは、太陽光発電・風力発電や地熱発電など再生可能エネルギーを利用することで二酸化炭素(CO2)を排出しない脱炭酸(ゼロカーボン)の都市を目指して計画されたという。

実は、アブダビはアラブ首長国連邦(U A E)の中でも石油や天然ガスなどの化石燃料の埋蔵量がトップで、日本へはサウジアラビアに次ぐ原油の輸出量だ。

だが、いつかは枯渇するときが来る。

それを見越して、石油会社・マスダールがまだ体力のある今のうちにと、ゼロカーボンシティ構想に乗り出したのだ。

ところが、二〇〇〇年代半ばにスタートし、二〇二五年までに完成予定だったこの計画は、二〇〇八年のアメリカ発のリーマンショックによってマスダール社の業績が悪化し「軌道修正」を余儀なくされた。

そして完成予定を二〇三〇年に延ばしたところ、今度は世界一の政府系投資ファンド・アブダビ投資庁が「首都移転計画」を発表した。

完成予定は同じ二〇三〇年の上、しかも「国家プロジェクト」だった。
(マスダール・シティもアブダビの首長の弟が進めた計画だから、国が関わるプロジェクトではあるけれども…)

大橋不動産(うち)も今はマスダール・シティにオフィスを構えているけれど、新首都にビルが建ったらそちらに移るだろう。


——アブダビがどこだかよく知らなかったあたしが、怒涛の引っ越し準備と並行して、この短期間でここまで調べたのだ……(白目)

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