砂漠の国でイケメン俺様CEOと秘密結婚⁉︎
「えっと、それとですね……
なぜ、あたしが『第三夫人』にならなければいけないんですか?」
そうよ!第一夫人もいないのに、なんでいきなり「第三夫人」なのよっ⁉︎
ムフィードさんが通訳すると、マーリク氏はめずらしくびっくりしたように目を見開いた。
「Who knew! I’m surprised that you’re aiming for my “first lady” .」
〈意外だな!君が私の「第一夫人」の座を狙っているとは驚きだ〉
「いやいやいや、そんな「座」なんか、まーったく狙ってないしっ!」
あたしは大声で叫んだ。
——冗談じゃないっ!
「第一夫人」も「第三夫人」も、ついでに「第二夫人」「第四夫人」も、どんな妻もぜーんぶまとめてお断りですっ‼︎
「でも、マミコさん、大丈夫ですか?」
ムフィードさんが心配そうに尋ねてくる。
「ミスター・マーリク怒ると、彼はほんとうに仕事キャンセルします」
——そうなんだよなぁ……
To be or not to be, that is the question.
彼の「第三夫人」になるべきか、それともならざるべきか——それが悩みどころだ。
「それに、ミスター・マーリクがあなたを三番目の妻にするは……彼が『優しい』からです」