砂漠の国でイケメン俺様CEOと秘密結婚⁉︎
「I will not allow you to insult her.」
〈彼女を侮辱することは、私が許さない〉
マーリク氏が絶対零度の目で睨む。視線だけで人ひとり殺めてしまいそうだ。
「Anyway,why do you think I'm wearing a suit?」
〈ねぇ、どうしてわたしがスーツ姿だと思う?〉
ジャミーラさんは、これ見よがしに着用しているスーツをあたしたちに見せる。
マーリク氏の極寒の視線を全身で浴びているにもかかわらず、彼女はいっさい怯まない。
それどころか、豊かな胸をこれでもかと張っている。
きっと、防寒対策バッチリの心臓に違いない。
「I've come here today to be your secretary!」
〈わたしが今日ここに来たのは、あなたの秘書になるためよ!〉
ジャミーラさんは声高らかに宣言した。
「Huh? You've got to be kidding me. You don't have the power to decide it.」
〈は?ふざけるな。君にはそんな権限はない〉
マーリク氏は極寒の視線をますます凍らせて、彼女にきっぱりと言い放った。
「Know your place!」
〈身の程を弁えろ!〉
「Of course I know my place. I'm here on your father's orders.」
〈もちろん身の程は弁えているわ。わたしがここへ来たのは、あなたのお父さまの命令よ〉