砂漠の国でイケメン俺様CEOと秘密結婚⁉︎

「最初から首都機能を集約するために造られる『計画都市』ですね?」

古くはアメリカ合衆国のワシントンD.C.・カナダのオタワ・オーストラリアのキャンベラなどがそうで、最近ではブラジルのブラジリアがある。

オーストラリアはかつて首都を決める際、二大都市のシドニーとメルボルンが名乗りをあげたがまとまらず、妥協案として両者の中間地点に近い町を首都にするために計画都市としてキャンベラを選んだという経緯(いきさつ)がある。

そんな街は地域経済に力を入れるより首都機能の方に特化するため、「首都」なのになんだか地味〜ぃな感じになってしまう。

ブラジリアの場合は人口の増え過ぎたリオデジャネイロから人々を分散させるために、結構本腰を入れて推し進めたそうだが、残念ながらそううまくは行かないようだ。


「そうだよ。世界一の政府系投資ファンドと言われるアブダビ投資庁(A D I A)(もと)、約三七万人を移住させる計画がスタートしたんだ」

——三七万人の移住計画……うわっ、ガチの本気計画じゃん。

「その計画のうちの一つである政府系タワービル建設の関連事業に、このたび大橋不動産(うち)も参入できることになってね。
それに伴い、社内でアブダビ新都市建設事業室が立ち上げられ、プロジェクトチームが結成されることになった。
……君は、そのメンバーの一人に選ばれたよ」

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