幸せを運ぶ尻尾
キャロルの最期の姿を、棗は昨日のことのように覚えている。あんなに元気だったキャロルは鳴くこともなく、ぐったりと横たわっていた。食べることが大好きだったのに、だんだん大好きなおやつも食べられなくなって、どんどん痩せていって、うまく笑えなかった。
「悲しいです、大切なFamilieとのお別れは、みんな悲しくて寂しいです。私も、そうでした……」
「えっ……」
棗が顔を上げると、カルラも泣いていた。そして、カルラはスマホを取り出して写真を見せてくれた。それは幼いカルラがシェパードと遊んでいるものだった。
「この子は、数年前に天国へ行きました。とっても悲しかった。だから、棗の悲しみはとてもわかります。悲しい気持ち、抱えなくていいんです!」
カルラがそっと棗の頬を撫でる。涙をそのまま拭ってくれた。その瞬間、止まっていた時間がほんの少し動いたような気がした。人の言葉に、キャロルを失ってから初めて心が温かくなった気がしたのだ。
「悲しいです、大切なFamilieとのお別れは、みんな悲しくて寂しいです。私も、そうでした……」
「えっ……」
棗が顔を上げると、カルラも泣いていた。そして、カルラはスマホを取り出して写真を見せてくれた。それは幼いカルラがシェパードと遊んでいるものだった。
「この子は、数年前に天国へ行きました。とっても悲しかった。だから、棗の悲しみはとてもわかります。悲しい気持ち、抱えなくていいんです!」
カルラがそっと棗の頬を撫でる。涙をそのまま拭ってくれた。その瞬間、止まっていた時間がほんの少し動いたような気がした。人の言葉に、キャロルを失ってから初めて心が温かくなった気がしたのだ。