パパか恋人かどっちなのはっきりさせて!
27.油断して盗難にあった!
就職してから3か月がたって生活にリズムができてきた。私は落ち着きを取り戻し、働きながら生活していくことに自信もついてきた。パパに仕事の話を聞いてもらうようになり、仕事を楽しむ余裕もでてきた。
「明日は早番で早く終わるので、同僚に頼まれた合コンに参加したいけど、どう思う?」
「若い人は若い人との付き合いが大事だから、遠慮しないで行っておいで」
「後学のために一回は行ってみたいと思っていたのでそうさせてもらいます」
「帰り時間をメールで知らせてくれる?」
「はい、心配しないように連絡を入れます」
すんなりと合コンに行くことを承諾してくれた。パパとしては行くなとはいえないだろう。でも少しは心配してほしかった。
◆ ◆ ◆
1次会の合コンで盛り上がったので、2次会に行くことになった。みんなで新宿のディスコのような踊れるところへ行くというので、どんなところかと興味があってついて行った。
午後8時過ぎに、2次会に行くとのメールをパパに入れると、すぐに[了解、気を付けて]と返信があった。
終電の時間が近づいてきたので、荷物を取り出そうとしたが、ロッカーの中は空っぽだった。ロッカーの場所を間違えていないかと探したが、間違いなく盗難にあったことが分かった。血の気が引いた。店の人に言っても、らちが明かないので、警察へ行った。
バッグの中味は財布、金額は1万円くらい、運転免許証、健康保険証、マンションの鍵、スマホ、化粧品セットなど。警察で盗難届と運転免許証の再発行の手続きをした。
友人から交通費を借りて始発電車に乗ってマンションにたどり着いた。
マンションの入り口で部屋番号を押して、呼び出す。パパは起きてるかな? すぐにインターホンから声がした。
「久恵ちゃん?」
「久恵です。開けてください」
入口のドアーが開いたので、エレベーターで部屋にたどり着く。玄関のロックは外されていた。
「ただいま」
「おかえり、どうした、何かあった」
「心配かけてごめんなさい」
急いで、自分の部屋に駆け込んだ。部屋に戻ってほっとした。しばらく茫然としていたが、パパが待っていると思ったので、部屋着に着替えた。
それから、ソファーにいたパパの隣に座って、これまでの顛末を話した。
「起きていてくれて、ありがとう。パパの声を聴いて安心して力が抜けてしまって、疲れがどっとでてきたの」
私は泣きだしていた。パパは私を抱き締めてくれた。私は泣き続けた。
「盗難だけで済んで良かった。免許証や保険証は再発行してもらえばいい、携帯電話はまた買えばいい、久恵ちゃんの身に万一のことがあったらと心配でならなかった。無事で本当によかった」
パパに抱き締められている。大きな胸の中で、両腕で身動きできないくらいに強く抱き締められている。この守られているという安心感、このパパの匂い大好き。このまま腕の中で眠りたい。
パパが腕を緩めて、私をそっとソファーにもたれさせてから、キッチンに立った。そして、トーストとコーヒーを用意してくれた。
「これを食べて、少し休んだら? 今日は休みなんだろう」
「ありがとう、少し休みます」
それから、私は部屋に戻って、眠りについた。
気が付いたらもうお昼を過ぎていた。パパは私のことを心配して一人にしておけないと、会社を休んでくれていた。
パパはまだ寝ているみたい。部屋は静かだ。よっぽど心労で疲れていたんだと思う。申し訳ないのと、ありがたいのと、嬉しいのとで複雑な気持ちだ。私は音がしないように自分の部屋の片づけをした。
パパは3時過ぎに起きてきた。私が気を取り直して、元気になっているのを見て安心していた。
「もうあんなところ、絶対に行かない。ろくな男いないし。パパみたいな良い男は、早く家へ帰って、ちゃんと食事をして、お風呂にはいって体を休めて、好きなテレビを見たり、本を読んだり、お酒をのんだり、音楽を聴いたり、部屋を片付けたり、明日のための準備をしているのね」
パパは笑って聞いていた。気合を入れて夕食を作る。でもあんなにきつく抱き締めてくれたのは、父親として? 私が好きだから?
「明日は早番で早く終わるので、同僚に頼まれた合コンに参加したいけど、どう思う?」
「若い人は若い人との付き合いが大事だから、遠慮しないで行っておいで」
「後学のために一回は行ってみたいと思っていたのでそうさせてもらいます」
「帰り時間をメールで知らせてくれる?」
「はい、心配しないように連絡を入れます」
すんなりと合コンに行くことを承諾してくれた。パパとしては行くなとはいえないだろう。でも少しは心配してほしかった。
◆ ◆ ◆
1次会の合コンで盛り上がったので、2次会に行くことになった。みんなで新宿のディスコのような踊れるところへ行くというので、どんなところかと興味があってついて行った。
午後8時過ぎに、2次会に行くとのメールをパパに入れると、すぐに[了解、気を付けて]と返信があった。
終電の時間が近づいてきたので、荷物を取り出そうとしたが、ロッカーの中は空っぽだった。ロッカーの場所を間違えていないかと探したが、間違いなく盗難にあったことが分かった。血の気が引いた。店の人に言っても、らちが明かないので、警察へ行った。
バッグの中味は財布、金額は1万円くらい、運転免許証、健康保険証、マンションの鍵、スマホ、化粧品セットなど。警察で盗難届と運転免許証の再発行の手続きをした。
友人から交通費を借りて始発電車に乗ってマンションにたどり着いた。
マンションの入り口で部屋番号を押して、呼び出す。パパは起きてるかな? すぐにインターホンから声がした。
「久恵ちゃん?」
「久恵です。開けてください」
入口のドアーが開いたので、エレベーターで部屋にたどり着く。玄関のロックは外されていた。
「ただいま」
「おかえり、どうした、何かあった」
「心配かけてごめんなさい」
急いで、自分の部屋に駆け込んだ。部屋に戻ってほっとした。しばらく茫然としていたが、パパが待っていると思ったので、部屋着に着替えた。
それから、ソファーにいたパパの隣に座って、これまでの顛末を話した。
「起きていてくれて、ありがとう。パパの声を聴いて安心して力が抜けてしまって、疲れがどっとでてきたの」
私は泣きだしていた。パパは私を抱き締めてくれた。私は泣き続けた。
「盗難だけで済んで良かった。免許証や保険証は再発行してもらえばいい、携帯電話はまた買えばいい、久恵ちゃんの身に万一のことがあったらと心配でならなかった。無事で本当によかった」
パパに抱き締められている。大きな胸の中で、両腕で身動きできないくらいに強く抱き締められている。この守られているという安心感、このパパの匂い大好き。このまま腕の中で眠りたい。
パパが腕を緩めて、私をそっとソファーにもたれさせてから、キッチンに立った。そして、トーストとコーヒーを用意してくれた。
「これを食べて、少し休んだら? 今日は休みなんだろう」
「ありがとう、少し休みます」
それから、私は部屋に戻って、眠りについた。
気が付いたらもうお昼を過ぎていた。パパは私のことを心配して一人にしておけないと、会社を休んでくれていた。
パパはまだ寝ているみたい。部屋は静かだ。よっぽど心労で疲れていたんだと思う。申し訳ないのと、ありがたいのと、嬉しいのとで複雑な気持ちだ。私は音がしないように自分の部屋の片づけをした。
パパは3時過ぎに起きてきた。私が気を取り直して、元気になっているのを見て安心していた。
「もうあんなところ、絶対に行かない。ろくな男いないし。パパみたいな良い男は、早く家へ帰って、ちゃんと食事をして、お風呂にはいって体を休めて、好きなテレビを見たり、本を読んだり、お酒をのんだり、音楽を聴いたり、部屋を片付けたり、明日のための準備をしているのね」
パパは笑って聞いていた。気合を入れて夕食を作る。でもあんなにきつく抱き締めてくれたのは、父親として? 私が好きだから?