パパか恋人かどっちなのはっきりさせて!
38.婚姻届に証人の署名をもらった―一緒に暮らすと歳の差が縮まる?
週末に二人で区役所へ婚姻届を提出しに行った。婚姻届には証人が必要だったので、パパは後輩の春野さんとマンションの管理人さんにお願いした。
春野さんはパパの3年後輩で年齢は4つ下だそうだ。今の広報部のポジションに移る前の企画部にパパの後任として研究所から異動してきたという。
研究所でも付き合いはあったけど、本社でより親しくなり、本社勤務の不安があると思い、先輩として仕事のコツを教えてあげて、仕事の相談にものってあげたところ、非常に感謝されて、兄のように慕ってくれるようなったと言っていた。
春野さんには年下の付き合っている彼女がいて、最近プロポーズをしてようやくOKをもらったという。
「ようやく?」
「歳が離れているそうだ」
「どれくらい年が離れているの?」
「12歳も年下だそうだ。まあ、僕が勝っているけどね」
「パパとは気が合いそうね」
「自分はロリコンだといっていた」
「ロリコン?」
「そう、正確にはロリータ・コンプレックス。中年の男性が年の離れた少女を愛するウラジーミル・ナボコフの小説「ロリータ (Lolita)」に由来するといわれている」
「その人、年下と言っても、小学生や中学生が好きなの?」
「いや、そうではないんだ。彼は小学生のころ活発な女の子が周りに大勢いて随分からかわれていたので、同年代の女の子には引け目を感じて話すこともできなかったそうだ」
「それで年下がいいんだ」
「中学、高校、大学と同じでどうも同年代の女子には引け目を感じてダメだそうだ。会社ではしっかり議論したりしているようだけど、プライベートになるとだめだそうだ」
「よっぽど、小学生のころのことが影響しているのね」
「歳が離れていると優越感というか安心感があるからと言っていた。春野君はイケメンだし、仕事もできるし、人柄もいいし、超有名国立大学も出ている。コンプレックスなんて誰にでもあるんだね」
「私は歳の差なんか気にならないけど」
「だから、僕にはよかったんだ」
◆ ◆ ◆
管理人さんも喜んで証人になってくれた。
管理人さんとはパパがマンションの役員をしているときに親しくなったそうだ。マンションの空きが出た駐車場の希望者への割り当て方法で、ずっと待っている人と新たに希望した人の扱いをどうするかでもめていた時に、その解決方法を考えてあげて隋分感謝されたという。
「管理人さんは二人で挨拶に来た時にこうなると思っていたそうだ。どうしてかと聞いたら『お嬢さんが川田さんを見る目ですぐに分かりました。歳が離れていましたが、あなたのことが大好きでお嫁さんになりたい、そういう目をしていました。そして妻ですと言ったでしょう。突然のことで驚きましたが、本心なんだと思いました』と言っていた」
「管理人さんはあの時、私たちの将来を見抜いていた?」
「僕がその時にそれを否定しなかったから、僕もそう思っていると感じたそうな」
「パパがあのとき黙っていたのは、そうだったの?」
「悪い気はしなかった。でも歳の差があり過ぎるのでそうはならないだろうと思っていた」
「でもそうなったわ」
「なるべきしてなったのだと思う。僕は歳の差を気にしていた。管理人さんに良い話を聞いた。管理人さんも奥さんとは15歳も歳が離れているそうだ。でもあの歳になると年齢差を感じることはないそうだ。一緒に暮らしていると、歳の差が縮まっていくと言っていた。そういうものなので、健康に気を付けてお互いに長生きすればいいのだと」
「一緒に暮らしていると、歳の差が縮まるか、そうかもしれない。確かにパパはこのごろ随分若返った気がする」
「それならいいけど」
春野さんはパパの3年後輩で年齢は4つ下だそうだ。今の広報部のポジションに移る前の企画部にパパの後任として研究所から異動してきたという。
研究所でも付き合いはあったけど、本社でより親しくなり、本社勤務の不安があると思い、先輩として仕事のコツを教えてあげて、仕事の相談にものってあげたところ、非常に感謝されて、兄のように慕ってくれるようなったと言っていた。
春野さんには年下の付き合っている彼女がいて、最近プロポーズをしてようやくOKをもらったという。
「ようやく?」
「歳が離れているそうだ」
「どれくらい年が離れているの?」
「12歳も年下だそうだ。まあ、僕が勝っているけどね」
「パパとは気が合いそうね」
「自分はロリコンだといっていた」
「ロリコン?」
「そう、正確にはロリータ・コンプレックス。中年の男性が年の離れた少女を愛するウラジーミル・ナボコフの小説「ロリータ (Lolita)」に由来するといわれている」
「その人、年下と言っても、小学生や中学生が好きなの?」
「いや、そうではないんだ。彼は小学生のころ活発な女の子が周りに大勢いて随分からかわれていたので、同年代の女の子には引け目を感じて話すこともできなかったそうだ」
「それで年下がいいんだ」
「中学、高校、大学と同じでどうも同年代の女子には引け目を感じてダメだそうだ。会社ではしっかり議論したりしているようだけど、プライベートになるとだめだそうだ」
「よっぽど、小学生のころのことが影響しているのね」
「歳が離れていると優越感というか安心感があるからと言っていた。春野君はイケメンだし、仕事もできるし、人柄もいいし、超有名国立大学も出ている。コンプレックスなんて誰にでもあるんだね」
「私は歳の差なんか気にならないけど」
「だから、僕にはよかったんだ」
◆ ◆ ◆
管理人さんも喜んで証人になってくれた。
管理人さんとはパパがマンションの役員をしているときに親しくなったそうだ。マンションの空きが出た駐車場の希望者への割り当て方法で、ずっと待っている人と新たに希望した人の扱いをどうするかでもめていた時に、その解決方法を考えてあげて隋分感謝されたという。
「管理人さんは二人で挨拶に来た時にこうなると思っていたそうだ。どうしてかと聞いたら『お嬢さんが川田さんを見る目ですぐに分かりました。歳が離れていましたが、あなたのことが大好きでお嫁さんになりたい、そういう目をしていました。そして妻ですと言ったでしょう。突然のことで驚きましたが、本心なんだと思いました』と言っていた」
「管理人さんはあの時、私たちの将来を見抜いていた?」
「僕がその時にそれを否定しなかったから、僕もそう思っていると感じたそうな」
「パパがあのとき黙っていたのは、そうだったの?」
「悪い気はしなかった。でも歳の差があり過ぎるのでそうはならないだろうと思っていた」
「でもそうなったわ」
「なるべきしてなったのだと思う。僕は歳の差を気にしていた。管理人さんに良い話を聞いた。管理人さんも奥さんとは15歳も歳が離れているそうだ。でもあの歳になると年齢差を感じることはないそうだ。一緒に暮らしていると、歳の差が縮まっていくと言っていた。そういうものなので、健康に気を付けてお互いに長生きすればいいのだと」
「一緒に暮らしていると、歳の差が縮まるか、そうかもしれない。確かにパパはこのごろ随分若返った気がする」
「それならいいけど」