青い夏の、わすれもの。
あたしは海風に髪を靡かせ、

肩に置かれたおっきな右手から海のように大きな心を持った男の体温を感じながら

ただひたすら泣いていた。

声が枯れるまで、

全身の水分が無くなるまで

泣いていた。

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