青い夏の、わすれもの。
「朝吹くん」

「あ、ごめん。こんな勝手なことして怒ってるよね?」


私は大きく首を左右に振った。


「怒ってないよ。むしろ...嬉しい。私のために願ってくれる人がいてくれて、本当に...本当に嬉しい。ありがとう、朝吹くん」

「そう言ってくれると助かる。じゃないとおれのエゴみたいになっちゃうから。でも、おれは深月さんに笑顔でいてほしいって心の底から思ってる。それは確かだよ」

「うん...」


私はぎこちなくだけど、笑ってみた。

私の笑顔を待ってくれている人がいるのならば出し惜しみせず笑いたい時に笑おうと思った。

朝吹くんはそんな私を見てニカッと歯を見せてミントのように爽やかに笑った。

この笑顔から何かが変わることを祈り、私は色とりどりの短冊が飾られた竹を見つめた。


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