青い夏の、わすれもの。
日が延びてまだ西の空は明るい。
茜色の中にうっすらと空色が混ざっていて、その対比が美しい。
思わず息を飲んで見入ってしまう。
立ち止まってしまう。
でも、後者はたぶん違う理由で。
わたしが突然足を止めたから、さつまくんは数メートル歩いてから気づいたらしく、慌てて振り返った。
「山本、どうした?」
そうしてわたしの方に1歩2歩と近寄ってくる。
まるでそれを待っていたみたいにわたしの口も勝手に動き出す。
「明確な夢とか目的とか、そういうのがないのってダメなのかな?」
わたしの言葉にさつまくんは大きく首を左右に振った。
力強くわたしの瞳を見つめる。
「オレ、そういうのを持ったことがない。それでもここまで来た。だから、ダメなんてことはない」
まさかのさつまくん基準だった。
でも、同類だと分かってちょっと安心した。
わたしだけじゃないんだって分かって、なんだか心がふわっと軽くなった。
「今日面談だったんだろ?村山先生に何言われた?」
何...ということもない。
わたしは村山先生と会話した内容プラス凡庸なライフプランを語りながらノロノロと歩き出した。
話が終わる頃にはバス停に着いたけど、1本前のバスは3分前に出てしまっていた。
茜色の中にうっすらと空色が混ざっていて、その対比が美しい。
思わず息を飲んで見入ってしまう。
立ち止まってしまう。
でも、後者はたぶん違う理由で。
わたしが突然足を止めたから、さつまくんは数メートル歩いてから気づいたらしく、慌てて振り返った。
「山本、どうした?」
そうしてわたしの方に1歩2歩と近寄ってくる。
まるでそれを待っていたみたいにわたしの口も勝手に動き出す。
「明確な夢とか目的とか、そういうのがないのってダメなのかな?」
わたしの言葉にさつまくんは大きく首を左右に振った。
力強くわたしの瞳を見つめる。
「オレ、そういうのを持ったことがない。それでもここまで来た。だから、ダメなんてことはない」
まさかのさつまくん基準だった。
でも、同類だと分かってちょっと安心した。
わたしだけじゃないんだって分かって、なんだか心がふわっと軽くなった。
「今日面談だったんだろ?村山先生に何言われた?」
何...ということもない。
わたしは村山先生と会話した内容プラス凡庸なライフプランを語りながらノロノロと歩き出した。
話が終わる頃にはバス停に着いたけど、1本前のバスは3分前に出てしまっていた。