青い夏の、わすれもの。
わたしとさつまくんはベンチに座り込んだ。


「よいしょっと」


わたしがそう言うと、さつまくんはぷっと吹き出した。


「な、何?」

「ババくさい」

「し、失礼ねっ!わたし、まだ17歳だから」

「そういうムキになるところは幼稚臭い」

「む~~っ」


思いっきりフグのように頬を膨らませ、狼のように鋭い瞳孔でさつまくんを睨み付けると、さつまくんはお腹を抱えて笑い出した。


「はーっ!おもしろっ!はははっ!あはははっ!」

「なんでそんな笑うの?酷いよ、もぉ...」


わたしがそっぽを向くと、さすがのさつまくんもまずいと思ったのか、「ごめん」と平謝りしてきた。

わたしはふんっと鼻を鳴らし、お尻をずらしてベンチの端へ移動した。

わたしのこと、笑い過ぎ。

一応これでも落ち込んでるというのに、慰めてくれるどころか笑うなんて根性腐ってるよ。


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