青い夏の、わすれもの。
生徒会室があるのは、西棟1階の端っこ。
学校の象徴ともいえる組織のアジトが存在感を消してひっそりとあるなんて驚きである。
生徒会室に入るのは結構慣れている。
合宿や他校との練習試合の申請にも来ているから、まぁ月1くらいはお世話になっているかな?
あたしはドアをノックした。
――コンコン。
「はい、どうぞ」
中から女子の声がした。
まさか...。
あたしは勢い良くドアを開けた。
すると、茜色の西日がお見舞いし、あたしは目を細めた。
「本日会長が夏風邪のため席を外しておりますので、私が伺います」
女子生徒...深月さんは言った。
やはり何度見ても麗しく美しい。
綺麗に切り揃えられた黒髪が窓の隙間から吹き込むそよ風に揺れる。
色白の肌、小さな顔、くりっとした瞳...。
まるで日本人形のよう。
思わず見とれてしまった。
「あの...」
深月さんがこちらを見つめる。
あたしははっと我に帰り、提案書を渡した。
「野球部の引退試合の提案書です。よろしくお願いします」
「はい。確かにお預かりしました。会長と共に目を通し、校長先生から許可を頂けましたら、顧問の先生に結果をお伝え致します。今しばらくお待ち下さい」
「あっ、はい」
学校の象徴ともいえる組織のアジトが存在感を消してひっそりとあるなんて驚きである。
生徒会室に入るのは結構慣れている。
合宿や他校との練習試合の申請にも来ているから、まぁ月1くらいはお世話になっているかな?
あたしはドアをノックした。
――コンコン。
「はい、どうぞ」
中から女子の声がした。
まさか...。
あたしは勢い良くドアを開けた。
すると、茜色の西日がお見舞いし、あたしは目を細めた。
「本日会長が夏風邪のため席を外しておりますので、私が伺います」
女子生徒...深月さんは言った。
やはり何度見ても麗しく美しい。
綺麗に切り揃えられた黒髪が窓の隙間から吹き込むそよ風に揺れる。
色白の肌、小さな顔、くりっとした瞳...。
まるで日本人形のよう。
思わず見とれてしまった。
「あの...」
深月さんがこちらを見つめる。
あたしははっと我に帰り、提案書を渡した。
「野球部の引退試合の提案書です。よろしくお願いします」
「はい。確かにお預かりしました。会長と共に目を通し、校長先生から許可を頂けましたら、顧問の先生に結果をお伝え致します。今しばらくお待ち下さい」
「あっ、はい」