青い夏の、わすれもの。
「爽!良かった。いなくなったから帰っちゃったのかと思った」

「あはは。ごめんごめん。ちょっと海風を感じたくなっちゃって外行ってた」


なんてのは嘘だとすぐに分かった。

だって......。


「顔、どうしたの?もしかして...」


泣いてた?

そう聞こうとしたけど、爽は唇に人差し指を当てた。


「シーッ。そのことには触れないで。あとで話すし、今から化粧直すから」

「ならわたしも着いていっていいかな?爽に話したいことがあって」


わたしは覚悟を決めてそう口にした。

爽は探るような眼差しでわたしを見つめながらも1つ返事でOKしてくれた。

そして、わたしたちは男子2人を置いてお手洗いに向かった。

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