青い夏の、わすれもの。
ひとまずそれは置いといて、あたしはやつにメッセージを送りつけた。


"魁おは~!元気してる?ってか、まだ寝てる?それともバイト?"

"ま、それはどーでもいいんだけどw"

"あのさー、15日暇?"

"ほら、花火大会の余興で澪演奏するじゃん。だから、見に行きたいと思って"

"一緒に来てくんない?ってか、来るよね?"

"よろしく頼むよ"



あたしのそのメッセージに既読がついたのは4時間後のことだった。

どうやら、魁は短期の引っ越しやのバイトをしているらしい。

同じ野球部だった田中くんと某引っ越しやのユニフォーム姿の2ショットが送られてきた。

そんな情報は別にいらないんだけど。

肝心の花火大会はもちろんOKらしい。

まぁ、澪の名前を出しておけば1つ返事で承諾される。

澪を出汁に使うのは忍びないけど、そうするしか今のあたしが魁を惹き付ける手だてはないんだ。

ごめん、澪。

澪だって魁のことフラなきゃならなくて辛いはずなのに、あたし自分の都合の良いように使っちゃってる。

ほんと、ごめんよ。

何度も何度もお天道様に手を合わせて心から謝罪をし、澪の幸せを祈った。

< 237 / 370 >

この作品をシェア

pagetop