青い夏の、わすれもの。
バイトも勉強もせず、毎日マンガを読み漁り、テキトーにスマホで動画を見たりしてダラダラと過ごしているうちに、あっという間に当日を迎えた。
浴衣に着替えなきゃならないというのに、あたしはクーラーがガンガンに利いた部屋でベッドの上に寝転がっていた。
正直に申し上げますと、あたし、夏バテしました。
堕落した生活、アイスやそうめんしか口にしないという偏食が原因で確実に体力が落ち、何をするのも億劫になった。
そんなあたしを奮い立たせてくれるのが、我が親友澪の存在だった。
澪はこんな暑い中、勉強も部活も手を抜かず一生懸命汗水流して頑張ってるんだから、あたしも頑張らなきゃと気合いを注入した。
「よっしゃ!行くぞ!」
あたしはぽよぽよのチャーシューのようなお尻を叩いて立ち上がった。
そして、母と一緒にショッピングモールに行った時に買って貰ったオレンジ色を基調とした蝶々が描かれた浴衣をクローゼットから引っ張り出した。
1階で風鈴の音を聞いて涼んでいた母に着付けてもらい、髪の毛もセットしてもらった。
母は料理を生業にしてるくらいだから、そもそも手先が器用で、あっという間にアレンジを完成させた。
「あら、なかなか可愛いじゃない。ナンパされるんじゃない?」
「されるわけないっしょ」
なんて言いながらも密かに声をかけられる自信はあった。
でも、あたしは誰になんと言われようと着いていかないけどね。
あたしが追いたいのは、
魁の背中だけだ。
浴衣に着替えなきゃならないというのに、あたしはクーラーがガンガンに利いた部屋でベッドの上に寝転がっていた。
正直に申し上げますと、あたし、夏バテしました。
堕落した生活、アイスやそうめんしか口にしないという偏食が原因で確実に体力が落ち、何をするのも億劫になった。
そんなあたしを奮い立たせてくれるのが、我が親友澪の存在だった。
澪はこんな暑い中、勉強も部活も手を抜かず一生懸命汗水流して頑張ってるんだから、あたしも頑張らなきゃと気合いを注入した。
「よっしゃ!行くぞ!」
あたしはぽよぽよのチャーシューのようなお尻を叩いて立ち上がった。
そして、母と一緒にショッピングモールに行った時に買って貰ったオレンジ色を基調とした蝶々が描かれた浴衣をクローゼットから引っ張り出した。
1階で風鈴の音を聞いて涼んでいた母に着付けてもらい、髪の毛もセットしてもらった。
母は料理を生業にしてるくらいだから、そもそも手先が器用で、あっという間にアレンジを完成させた。
「あら、なかなか可愛いじゃない。ナンパされるんじゃない?」
「されるわけないっしょ」
なんて言いながらも密かに声をかけられる自信はあった。
でも、あたしは誰になんと言われようと着いていかないけどね。
あたしが追いたいのは、
魁の背中だけだ。