青い夏の、わすれもの。
はずだったんだが、

気が付いた時にはもう完全に見失っていた。

四方八方どこを見渡しても魁らしき人はいない。

身長185cmくらいで肩幅が広く、がっしりとした大柄の男はちらほら見かけるけど、どの人もあたしの目には輝いて見えない。

申し訳ないけど、皆石ころに見える。

あたしはキラキラと輝く宝石を捜しているんだ。

あたしの目には、いついかなる時でも魁だけが何カラットもの宝石に見えるんだ。

だから、どこにいたって見つけられる。

あたしが必ず見つけ出す。

あたしは根性で会場の端から端までを探し回った。

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