青い夏の、わすれもの。

華side

返事はいつでもいい。

そう言われたあの日からもう1週間が経っていた。

私はまだ返事を後回しにしていた。

返事はいつでもいいなんて言われたけど、いつまでにするのが正解なのだろうか。

何度ググっても正解らしい正解は分からなかった。

そもそも、私は朝吹くんのことをどう思っているんだろう?

好きオア嫌いの二択だったら、明らかに好きを選ぶけれど、それが果たして恋愛感情を伴う"好き"なのかは分からない。

"好き"って一体どういう気持ちなのだろう?

私は律くんを好きだと自覚した時のことを思い起こしてみた。

胸が高鳴り、身体が微熱を帯び、ふわっと足が軽くなる感覚があった。

端的に言うと、自分が自分じゃなくなる、みたいな感じ。

自分の身体、心なのに、捕らわれたように自由が利かない。

無意識に視線が想い人へと向かっている。

律くんの姿を目にする度に、思い出す度にそんな感覚に襲われていたけれど、今はどうだろう?

私は朝吹くんを脳裏に映し出した。


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