青い夏の、わすれもの。
8月11日。
山の日に制定されたその日の夕方、私のスマホがブーブーと激しく音を立てた。
私は小論文を書く手を止め、スマホを見た。
画面には"朝吹風"の文字が浮かんでいた。
私は急いでタップし、ラインのトーク画面を開く。
"深月さん、久しぶり!夏バテしてない?"
"今日は深月さんに頼み事があってラインしました"
"8月15日の午後7時から花火大会が開催されるのはもちろん知ってるよね?
一緒に見に行きたいなぁと思ったんだけど、深月さん予定大丈夫そう?"
"もし、行ってもいいって言うなら当日の朝までに連絡下さい"
そう書かれていた。
私はふーっと長いため息をついた。
それは扇風機の生ぬるい風と同化した。
実を言うと、毎年花火大会には家族で行くことになっている。
私は両親が不妊治療を5年かけてようやく授かった子供だから、両親に愛情をいっぱい注いでもらって大事に大事に育てられた。
両親とは仲良しで、休日は3人でドライブに行ったり、家の庭でBBQをしたりもする。
なるべく両親との時間を取れるようにと私は今まで友達付き合いをしてこなかった。
ましてや、カレシ候補の男子となんて全くもって疎遠だった。
それなのに、転機は突然訪れた。
私に選択を迫ってくる。
両親と行くべきか、
朝吹くんの誘いを受けるべきか...。
うーん、悩ましい...。
山の日に制定されたその日の夕方、私のスマホがブーブーと激しく音を立てた。
私は小論文を書く手を止め、スマホを見た。
画面には"朝吹風"の文字が浮かんでいた。
私は急いでタップし、ラインのトーク画面を開く。
"深月さん、久しぶり!夏バテしてない?"
"今日は深月さんに頼み事があってラインしました"
"8月15日の午後7時から花火大会が開催されるのはもちろん知ってるよね?
一緒に見に行きたいなぁと思ったんだけど、深月さん予定大丈夫そう?"
"もし、行ってもいいって言うなら当日の朝までに連絡下さい"
そう書かれていた。
私はふーっと長いため息をついた。
それは扇風機の生ぬるい風と同化した。
実を言うと、毎年花火大会には家族で行くことになっている。
私は両親が不妊治療を5年かけてようやく授かった子供だから、両親に愛情をいっぱい注いでもらって大事に大事に育てられた。
両親とは仲良しで、休日は3人でドライブに行ったり、家の庭でBBQをしたりもする。
なるべく両親との時間を取れるようにと私は今まで友達付き合いをしてこなかった。
ましてや、カレシ候補の男子となんて全くもって疎遠だった。
それなのに、転機は突然訪れた。
私に選択を迫ってくる。
両親と行くべきか、
朝吹くんの誘いを受けるべきか...。
うーん、悩ましい...。