青い夏の、わすれもの。
私は渾身の力で引き上げたが、あっけなくポイも私も破(敗)れてしまった。
私の隣でまるで呼吸をするように金魚をボウルに引き上げていた朝吹くんは、そんな私を見かねて手を止めた。
「深月さん、ほんとに金魚すくい苦手なんだね。で、ガチ勢」
「...悪い?」
「ううん。そんなことないよ。ただ力んでも金魚は掬えないよ。コツとしては...」
朝吹くんは手を動かしながら私に説明してくれた。
「ポイは水面と水平にして金魚の下に滑り込ませる。そこまでは深月さんも出来ていたから、最後力を入れすぎないことが大事だね。尾びれから引き上げるイメージで勢い良く持ち上げない。
ボウルとポイの距離を近くしておいてポイに乗せた金魚をボウルにそのままスライドさせるといい」
手と口を同時に動かしながらも朝吹くんは金魚を見事ゲットした。
私も朝吹くんのアドバイス通りにやってみることにした。
まずは狙いを定めて水面と平行にポイを持ってきて金魚の下に滑り込ませる。
尾びれから引き上げるイメージでボウルに入れる。
よし、こうだ!
祈るようにポイを動かした。
瞼をゆっくり少しずつ開けてボウルを見る。
果たして結果は...
私の隣でまるで呼吸をするように金魚をボウルに引き上げていた朝吹くんは、そんな私を見かねて手を止めた。
「深月さん、ほんとに金魚すくい苦手なんだね。で、ガチ勢」
「...悪い?」
「ううん。そんなことないよ。ただ力んでも金魚は掬えないよ。コツとしては...」
朝吹くんは手を動かしながら私に説明してくれた。
「ポイは水面と水平にして金魚の下に滑り込ませる。そこまでは深月さんも出来ていたから、最後力を入れすぎないことが大事だね。尾びれから引き上げるイメージで勢い良く持ち上げない。
ボウルとポイの距離を近くしておいてポイに乗せた金魚をボウルにそのままスライドさせるといい」
手と口を同時に動かしながらも朝吹くんは金魚を見事ゲットした。
私も朝吹くんのアドバイス通りにやってみることにした。
まずは狙いを定めて水面と平行にポイを持ってきて金魚の下に滑り込ませる。
尾びれから引き上げるイメージでボウルに入れる。
よし、こうだ!
祈るようにポイを動かした。
瞼をゆっくり少しずつ開けてボウルを見る。
果たして結果は...